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美しく生きるとはどのような生き方でしょうか。
個人的に本書を通して感じたことが「美しい」「美」という言葉に全て集約されている。そんな気がしています。
3、4年ほど前に本書を手にとっていましたが、ある程度また歳を重ねた今再読してみると、心が透き通るような、そんな気持ちに包まれたのが読了後から感じている感想です。
改めて自身の生き方を見つめ直したいと強く思いました。
京セラドームの名やCMなどを通して「京セラ」という名前を一度は耳にしたことがあるかと思います。
著者の稲盛和夫さんは精密機器や半導体の材料として開発されるファインセラミックスの専門メーカーとして1959年に、現在の京セラを創業されました(1) 。
京セラ以外にも、日本航空の会長へ就任されたり、現在のKDDIを設立されたりと、これまでには幅広く事業に携わられてこられました。
本書ではそんな稲盛さんが、ビジネスパーソンとしてご活躍されてきた中で培われてきたご自身の「生き方」が詰め込まれています。
理念や理想、哲学といったものがなぜ必要なのかや、継続の大切さ、内省の重要性、人の上に立つ人が求められるもの、足るを知るということなど。仕事をする上でというだけでなく、そもそも一人間としてどう生きていくべきかを、稲盛さんのご自身の実際のご経験も交えながら綴られています。
本書は何か特別なことや難しいことだけが列挙されているわけではありません。
私たちが学生時代、道徳や総合の学習を通して習ったであろう、普遍的な内容について、稲盛さんご自身のご経験と言葉で綴られています。
だらかこそ、こうして混沌とした現代を生きる私たちが、改めて清らか心へと立ち返るという意味においても、大変一読の価値のある書籍だと感じす。
今のように大きなテクノロジーの発展もない時代から、新たな可能性を求めて日々邁進されてこられた稲盛さんが、若き日から多くの成功や失敗をご自身としても、また側から見るということ含めてご経験されてこられたと思います。
数多くのご経験をされてても、やはり継続すること、一つのことをひたむきに泥臭く続けること。これほどまでの美徳はなく、また一番単純で一番確実な成功までのプロセスなのだと再認識するに至りました。
私のような凡人は何か裏技があるのではないかと、常々考えてしまいます。楽をしたい。それが率直な部分です。だからこそうまく継続ができませんし、なかなか結果につながりません。ですが、やはりそれなりの形を求めるならば、十分な努力が必要である。辛くても、飽きたりしても、そこで踏ん張る力が必要なのだと。とはいえ、簡単には長期にわたってできないものです。
こうした部分においても、稲盛さんの美しさのようなものを強く感じます。成功を求めてひたむきに努力する人。そうした人の心はやはり美しく、華麗なものであると思うのです。
また、私はこれまで、美しいとは表面的なビジュアル面でのことについてばかり、頭がいっていました。あの人綺麗だよね、とか、あの花美しいねのような単純なもの。ですが本書を通して”美しい”という言葉を内面的に捉えるといった価値観が新たに芽生えたように思います。
もちろん内面的な捉え方が一切なかったわけではありません。ですが、より鮮明に内面的な美しさという考え方を本書が芽生えさせてくれたように思うのです。
美しい心はどのようにして手にすべきでしょうか。や
はり、それは人間として正しいと思うことを日々心がけていくこと。これに尽きるのでしょう。嘘をつかないであるとか、約束を守であるとか、正直であるとか。ごくごく単純なことです。プロローグにおいて、この部分が強調されています。
やはりごくごく単純なこと。それが美しい心を手に入れるために必要な生き方なのだと思いました。
こうした美しい心は、以前紹介した塩谷舞さんの著書『ここじゃない世界に行きたかった』にも通ずる部分があると思っています。
自分の中の美的な感性は、ときに人に優しくもできる気がします。自分の中に広がる美の空間においては、邪な考えや感情は全くもって不要なもので、美の世界を汚染するもの=心を汚すものでもあると考えるのです。それは人間としてのあるべき姿にも直結するのだと。そんな様に思います。
https://feel-life.site/beautiful-world/
記事の中において、上記のようなことを書かせていただいたのですが、稲盛さんの示される生き方と、塩谷さんの著書を読ませていただいた時に感じた美的感性云々には共通する部分があるなと。
つまりは、外面的に求める美しさと内面的な人間的美しさには共通する部分があって、綺麗な心を持った生き方をされている人の多くは、外見的な美しさにも反映されているのだろうと考えられる気がします。
実際心の綺麗な人は、身なりもきちんとされていたり、独自の美的なセンスが光り輝いている人が多かったりすると思うのです。複合的に美を求めることは、もしかすると、人として大切なことにも気付かされるのかもしれません。
---ベストセラーともされる本書は、複雑な人生という旅路において、より自分が伸び伸びと暮らしていける方法が大変シンプルで単純なものであると気付かされる1冊でありました。
本当の意味で美しい心を手に入れる人が増えれば、世界的に問題となっている環境問題やコロナのことも、はたまた身近な人間関係も、もっと早く、より簡潔に解決へと導いていけるのかもしれません。
参考文献
(1)京セラ株式会社."沿革".京セラ.https://www.kyocera.co.jp/company/summary/history/until1979.html (2021.09.13)