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私は水色の配色に目がないんだなと、そう強く思わせてくれた、何か大きな機転ともなった美術展だったように思います。
2022年、都内で楽しめる大型西洋美術展の一つとしても注目される「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」。
今回も多くの作品に心を動かされ、体から力が抜けるような感動を感じながら、ゆっくりと楽しんできました。
今回買ったポストカード。左の作品が『ノーマン・コートのセリーナ・シスルスウェイトの肖像』。
どれもよかったなと思うほど、どの作品も素敵なものばかりでありました。
その中でもトマス・ゲインズバラの『ノーマン・コートのセリーナ・シスルスウェイトの肖像』は、印象的な作品であったように思います。
この作品の主色ともいえそうな水色に強く惹かれました。
夫人が纏う柔らかなドレスに使われたその水色は、大変柔らかなもので、その質感をも感じられる部分が個人的な感動ポイント。
本作品を通して、水色を使った作品が本当に本当に好きなんだと思うと同時に、ロココ美術というものにも興味があるのだと気づけた気がします。
昔から水彩で描かれたような柔らかな色彩が大好きです。
アーティストのCDジャケットであったり、本屋さんに並ぶ書籍のデザインに関しても、柔らかなデザインや色彩のものがあれば「ジャケ買い」をしてしまうこともあるほど。
ロココ美術にはそういった「柔らかさ」と類似する部分があるような気がしていて、全身を脱力しながら、自分の奥底で作品を楽しめるような気がしています。
ロココ美術といった面では、フランソワ・ブーシェの『田園の情景(「愛すべきパストラル」)』『田園の情景(「眠る女庭師」)』『田園の情景(「田舎風の贈物」)』の3作品も心に残る作品でした。
この作品はそれぞれ木立の風景に男性と女性が配置される作品で、背景の空に使われる水色と青の柔らかさ、木々の緑の立体感もよかったですが、中でもそれぞれ登場人物が手にする花の描写が大変見事です。
3作とも縦にかなり長く大きい作品ではあったのですが、私としては手にもたれた花々に釘付けになりました。
この作品もまた、私自身がロココ美術に強い関心があるのだなと感じさせてくれたように思います。
やはり、一番好きなのはシスレーが創り出す水色。
本展で展示されていたシスレー作品は『シュレーヌのセーヌ川』でした。
ショップにて本作品のポストカードを探しましたが見つからず、少し残念ではありましたが、『シュレーヌのセーヌ川』に使われた「シスレーの水色」もものすごく素敵なもだったと感じます。
そもそも初めてシスレーを見たのは、新宿のSOMPO美術館での企画展です。
シスレーの作品は、なんとも形容し難いような淡い水色が特徴的だと個人的には思っています。
私は美大を出たわけでもなく、美術史やその類に特段明るいわけでもないので、ごく一般的な素人目線でありますが、初めてシスレーを見た時から水色に特別感を感じています。
「もっとシスレーの作品をたくさん見たい!」そんなことを思いながら帰路につきました。
このほかにもアールベルト・カイプの『ファルクホフ城の見えるネイメーヘンの風景』は、空の描写が綺麗で、この頃の”その場の空気感”を描いたような作品も良いものです。
また、東京会場限定での公開だったモネの『エプト川沿いのポプラ並木』も素敵な作品で、モネが雲に使っている赤色も印象的であると感じます。
本展のテーマにとして「自然を革新的な方法で見つめる」があるようで、素敵なテーマでありました。
---この記事を書くうちに、図録を買わなかったことを後悔したのと、やはり良い作品が多すぎたなとすごく思います。会期中にもう一度足を運びたいとウズウズするほどです。笑
早めに、もう一度チケットを買う準備をしたいと思います。
私の大好きな小説家の原田マハさんは、美術館へは「友達に会いに行く感覚」で行かれるといったことを目にしたことがありますが、その気持ちが最近少しずつわかってきた気がしました。